【基礎②】M12コネクタのコーディングとは?種類と用途を解説
M12コネクタを選ぶ際に、必ず確認しておきたい項目のひとつが「コーディング」です。
ただ、いざ選定となると「AコードとDコードは何が違うのか」「電源用にはどのコードを選べばよいのか」と迷う場面が少なくありません。コーディングとは嵌合部のキー形状のことで、同じM12でもピン配置や定格が異なり、異なるコーディング同士は物理的に嵌合できません。
本記事では、M12コネクタのコーディングを信号用、通信用、AC電源用、DC電源用、ハイブリッド用と用途別に整理し、それぞれのピン数や確認すべき仕様を解説します。
次のような方におすすめの記事です。
- AコードとDコードなど、コーディングの違いを整理したい方
- 用途に対してどのコーディングを選べばよいか判断したい方
- 第1回でM12コネクタの基礎を確認し、さらに踏み込みたい方
目次
それぞれのコーディングの用途について

Aコード|信号
Aコードは、M12コネクタの中でもよく使われるコーディングです。
主にセンサ、アクチュエータ、信号の接続で使用されます。
FA設備では、近接センサ、光電センサ、リミットスイッチ、I/Oモジュールとの接続などで見かけることが多いコードです。
4極、5極、8極、12極、17極など複数のピン数があり、DC24Vの電源線と信号線をまとめて接続する用途でも使われます。
Bコード|フィールドバス
Bコードは、主に産業用フィールドバスの接続に使用されるコーディングです。
代表的な用途としてPROFIBUSがあり、PLC、リモートI/O、センサ、アクチュエータなどを接続するネットワークで使用されます。
Bコードは一般的に5極で、代表的な定格は60V、4Aです。
Dコード・Xコード|通信
DコードとXコードは、産業用Ethernetで使用されます。
Dコードは、100Mbpsクラスの産業用Ethernetでよく使われます。
PROFINETやEtherNet/IPなど、FA機器のネットワーク接続で使用されます。
一方、Xコードはより高速なデータ伝送向けのコーディングです。
Gigabit Ethernetやマシンビジョン、画像処理機器など、高速通信が必要な場面で使用されます。
DコードとXコードはどちらも通信用ですが、用途や通信性能が異なります。
「Ethernet用のM12」とだけ判断せず、DコードなのかXコードなのかを確認することが重要です。
Kコード・Mコード・Sコード|AC電源
M12コネクタは信号や通信だけでなく、電源供給にも使われます。
AC電源用途では、主にSコードやKコード、Mコードが使用されます。
Sコードは3相+PEの構成で、イルメ取扱製品の一例では630V AC/DC、最大12Aです。
Kコードは4極+PEで、同じく630V AC/DC、最大12Aの製品を取り扱っています。
Mコードは、3相電源に補助線を加えた5極+PEの構成で使われ、代表的な仕様は630V AC、8A程度です。
Tコード・Lコード|DC電源
DC電源用途では、主にTコードやLコードが使用されます。
Tコードは4極で、定格は63V AC/DC、最大12Aです。分散I/Oや小型機器へのDC電源供給に使用されます。
Lコードは4極または4極+FEの構成があり、定格は63V AC/DC、最大16Aです。比較的大きな電流をコンパクトに配線したい場合に使用されます。
DC電源用のM12コネクタを選ぶ際も、定格電圧、定格電流、極数、FEの有無などを確認する必要があります。
外観が似ていても、AC用とDC用では仕様が異なるため注意が必要です。
Yコード|ハイブリッド用途
Yコードは、電源とデータを1本のM12コネクタにまとめるハイブリッド用途で使われます。
代表的な8極タイプでは、4極を電源、残りの4極をデータ通信に使用します。
電源側は50V・6A、データ側は50V・0.5A程度で、100Mbpsクラスの通信に対応する仕様例があります。
電源と通信を一本化できるため、ケーブル本数や機器側の接続口を減らせる可能性があります。
ただし、ハイブリッド接続は機器側の仕様との整合が特に重要です。
相手機器がYコードに対応しているか、必要な電流容量や通信仕様を満たしているかを確認する必要があります。
M12コネクタ選定で確認するポイント
M12コネクタのコーディングを選ぶ際は、以下の順番で確認すると整理しやすくなります。
- コーディング
- 使用用途
- 極数
- オス/メス
- 定格電圧・定格電流
- IP保護等級
- 使用温度範囲
- ケーブル仕様
- ケーブル長
- 相手機器側の仕様

M12コネクタ・M12パッチケーブルの取扱い
イルメジャパンでは、M12コネクタおよびM12パッチケーブルを取り扱っています。
センサ接続、I/O接続、産業用Ethernet、電源接続など、M12コネクタを使用する場面では、コーディング、極数、ケーブル長、ストレート/アングル、シールド有無などの確認が必要です。
M12コネクタやM12パッチケーブルの選定時には、相手機器側の仕様書や使用環境を確認したうえで、用途に合った製品を選ぶことが重要です。

まとめ
M12コネクタのコーディングは、用途ごとにキー形状が分けられており、異なるコーディング同士は物理的に嵌合できません。信号用のAコード、通信用のD・Xコード、AC電源用のS・Kコード、DC電源用のT・Lコード、ハイブリッド用のYコードというように、まず用途を決め、そこからコーディングを絞り込むのが確実な進め方です。
ただし、コーディングが一致すれば接続できるとは限りません。極数、定格電圧・定格電流、PEやFEの有無、ケーブル仕様まで確認したうえで、最終的には相手機器の仕様書と照合する必要があります。
イルメジャパンでは、A、B、D、K、L、M、S、T、X、YコードのM12コネクタを取り扱っています。
お客様の仕様や図面をもとに、用途に合ったM12コネクタの選定を承りますので、お気軽にご相談ください。