【基礎③】M12活用ガイド 〜電源編〜
M12コネクタは信号や通信だけでなく、機器への電源供給にも使われます。
電源用途では、AC電源系のSコード・Kコード・Mコード、DC電源系のTコード・Lコードといった専用のコーディングが用意されており、それぞれ定格電圧・定格電流・極数・接地(PE/FE)の構成が異なります。
【基礎②】M12コネクタのコーディングとは?ではコーディング全体を用途別に整理しました。
本記事では、そのうち電源用コーディングにしぼり、AC電源用とDC電源用の違い、代表的な用途、そして選定時に確認すべき仕様を解説します。
次のような方におすすめの記事です。
- 電源用のM12にどのコードを選べばよいか判断したい方
- AC電源用(S・K・M)とDC電源用(T・L)の違いを整理したい方
- サーボアンプ・インバータ・分散I/Oなどの電源接続を検討している方
電源用コーディング早見表

AC電源用|Sコード・Kコード・Mコード
630Vクラスの動力系接続に用いるコーディングです。
Sコード
4極(3+PE) 630V・12A
AC電源用の標準で、単相・標準負荷向け。
サーボアンプ、インバータ、ACモータ電源、制御盤まわりの補助電源分配に用いられます。
Kコード
5極(4+PE) 630V・16A
Sコードより極数・電流容量が大きく、三相ACモータやドライブ、周波数インバータなど高出力の動力系に用いられます。
Mコード
3極+PE/4極+PE/5極+PE 630V・8〜16A
複数の極数構成を持つ三相AC電源向けコーディング。
必要な相数・接地構成に合わせて極数を選べる点が特徴です。
DC電源用|Tコード・Lコード
DC24V系の機器・I/Oモジュールが主な対象になります。
Tコード
4極 63V・12A
DC電源用の標準で、分散I/O、小型機器、DCモータ・ドライブなどへの給電に用いられます。
Lコード
5極(4+FE) 63V・16A
FE(機能接地)を含み、1極あたり最大16Aに対応。PROFINET/EtherNet/IP環境で、分散I/OボックスやIO-Linkマスタへの電源供給の事実上の標準となっており、供給電圧を機器間で渡していくデイジーチェーン配線(最大16A)にも対応します。省スペースで高い電力密度が求められる分散給電に向きます。
選定時の確認ポイント
コーディングが一致していても電源用M12では接続できるとは限りません。
ケーブル長やコーディング、アッセンブリの有無に加えて、電源用途のコネクタの場合、次の点が選定時の確認ポイントになります。
- コーディングと極数・接地構成の一致
- 周囲温度によるディレーティング
定格電流は基準温度での値です。盤内や高温環境ではディレーティングカーブでの確認が必要です。 - ケーブル長に対する電圧降下
DC24V系では、ケーブル長と導体断面積による電圧降下が機器の入力電圧下限に直結します。
長尺・大電流の構成ほど断面積の確認が重要になります。 - デイジーチェーン時の通過電流の累積
Lコードの16Aは1極あたりの定格であり、上流側には下流の全機器分の電流が流れます。
段数と各機器の消費電流から、最上流が定格内に収まるかを確認します。
まとめ
M12電源用は、630V系のS・K・M(AC)と63V系のT・L(DC)に分かれ、すべて IEC 61076-2-111 に規定されます。
AC側はPEを含みS・K・Mコードで、サーボアンプ・インバータ・三相モータなどの動力系に用いられます。
DC側はTコードとLコードで、Lコードはネットワーク分散I/O・IO-Linkマスタ給電とデイジーチェーンの電源供給で使用されます。
イルメジャパンでは、S・K・M・T・LコードをはじめとするM12電源用コネクタに加え、各コーディングに対応したM12パッチケーブル、およびI/Oモジュールなどの周辺機器も取り扱っています。
コネクタ単体だけでなく、ケーブル長や機器側の構成まで含めてご相談いただけます。
お客様の仕様や図面をもとに、用途・定格・極数・PE/FE構成に合ったM12コネクタ、パッチケーブル、周辺機器の選定を承ります。お気軽にお問い合わせください。
